神がいないと知って、どう生きるか

巷に溢れるUFOの目撃談、超能力、超常現象の体験談、それらが何を意味するのか、神は存在するのか、真実を追い求める研究者と、その意味を逆手に取って世界を自分のために利用しようとする天才小説家、そして明かされる神の意図。
神が人を愛しているのだから善行を積むべきという宗教観、神は人をゲームの駒としか見ていないというミクロコスモス的な考え方、そして神などいないという唯物論。この小説はそのいずれのスタンスでもない、新しい神のカタチを提示する。もちろんこれはSF小説だからそれがこの世界の真実ではないのだが、しかしこの神のカタチは十分に衝撃的である。
そして私たちはみなサールの悪魔であると知ったとき、人は何を信じて、何のために生きるのか。その答えがこの本の結末である。私はそう信じる。

思い出したので追記。ワタシがこの本を読もうと思ったのは弾さんのブログで紹介されていたから。
404 Blog Not Found:神は沈黙せず
で、内容の解釈としては弾さんではなく↓こちらの方が正しいと言うか、ワタシの理解に近いです。

『神は沈黙せず』の中に出てくる「正しく生きる」というのは、神が私たちを作った目的が主人公の兄が作った「アイボリー」同様、グローバル・ブレインであり、神にとって私たちは擬似的な脳でありそれ以上の存在ではないという事実に行き当たった事を踏まえた上で主人公はこう語るのだ