それで統計

虐待の話題で統計は後回し、と言ったまま放置していたので調べてみた。
厚生労働省:平成16年度社会福祉行政業務報告結果の概況(福祉行政報告例)

平成16年度中に児童相談所が処理した養護相談のうち「虐待相談の処理件数」は33,408件で、前年度に比べ6,839件(前年度比25.7%)増加している(図9)。

もんのすごい勢いで増えているように見えるが、そこは統計マジックなので注意が必要。

ここで十分に注意しておきたいのは、以上のような統計数値を持ってしても、児童虐待の件数が増加していると即断することはできないということである。なぜなら、「児童虐待は以前から多数行われていたが、近年対策が進み、また国民の意識も高まったため、通告等が多くなされるようになり、その結果、従来ならば暗数にとどまっていた事例が顕在化し統計上に現れただけである」と理解することも、決して不可能とは言い切れないからである。

それはつまり、最近の児童虐待への取り組みがある程度機能しているということでもあるのだろう。母数が増えた結果、悲しい事例も多く報じられるようになった、のかもしれない。
最後に児童虐待防止法第六条を引用しておきます。

第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

児童虐待の通報は、国民に義務づけられています。よろしく。