- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/04
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 166回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
村上龍はあとがきでいつもグッとくる一言を書く。今回はそれがあまりにもツボにはまっていて、もはやレビューを書く必要すら感じないので、引用しておしまいにする。
この小説は、救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している。誰かを救うことで自分も救われる、というような常識がこの社会に蔓延しているが、その弊害は大きい。そういった考え方は自立を阻害する場合がある。
誰かを救うことはその人の自立に役立たない。ではどうすればいいのか。答えはこの小説の中にある。村上龍の小説には珍しく、答えがはっきりと文章で書いてある。知りたければ読むべし。