最後の家族

最後の家族 (幻冬舎文庫)

最後の家族 (幻冬舎文庫)


村上龍はあとがきでいつもグッとくる一言を書く。今回はそれがあまりにもツボにはまっていて、もはやレビューを書く必要すら感じないので、引用しておしまいにする。

この小説は、救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している。誰かを救うことで自分も救われる、というような常識がこの社会に蔓延しているが、その弊害は大きい。そういった考え方は自立を阻害する場合がある。

誰かを救うことはその人の自立に役立たない。ではどうすればいいのか。答えはこの小説の中にある。村上龍の小説には珍しく、答えがはっきりと文章で書いてある。知りたければ読むべし。