エンデュアランス号漂流

これはすごいノンフィクションだ。

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

アムンゼンの南極点到達の後で、南極横断を目指して着実に準備を進めて挑んだシャックルトン隊27人が、上陸地点を目前にして船ごと氷盤に完全に閉じ込められ、半年以上漂流した挙句に船は氷の圧力で完全に破壊され沈没。氷盤の上から脱出することもできずにそれからさらに8ヶ月を氷の上で過ごす。
漂流の末南極圏から出て氷が溶け、3隻のボートで氷と波と風の荒れ狂う海を漂流して無人島に流れ着き、6人で一番大きなボートに乗って1800km先の出発地まで助けを求めに行く。
やっと島にたどり着くがしかし天候不順のため港がある側とは反対側に流れ着き、3人で数千メートルの未踏の山脈を越えて港へ助けを求めに行く。取って返して3人を回収し、悪天候と氷に遮られながら3ヶ月かかって何度も挑戦し、無人島に残した仲間を回収する。
アザラシとペンギンと犬ぞりの犬や犬のえさまで食べながら1年半以上を生き永らえ、全員が見事に生還する。すげええ。第一次大戦の時代ですよ。木造船ですよ。南極横断よりもすごい。
これでもまだ終わらないのかというくらいの苦難の連続、燃料と食料の不足、そして凍傷に苦しみながらしかしあくまで楽天的に結束を保ち、全員を見事に生還させるリーダーシップ。尊敬します。

追記

本の題名が誤っている旨のご指摘をコメントで頂きましたので、記事を一部修正しました。tomisimaさんありがとうございます。感謝です。