離婚テンプレート「価値観の相違」

昨日も一組、有名人が「価値観の相違」を理由に離婚をカミングアウトしたわけだが。
「価値観の相違」ってなんの言い訳にもなってない、理由ですらないと思う。だって価値観が自分と一致する人間と暮らしていて楽しいか?人間が二人いればなにかしら相違は発生するもんだし、それをどうすり合わせて共同作業を進めていくか、というのが、仕事にせよ家族生活にせよ、そこが重要だし、それがうまくいっていることが喜びなんじゃないのか?

まあ、マスコミに理由を聞かれて「個人的な問題なので答えたくない」なんて言ってたら仕事なくなる、という有名人の事情はよく理解できる。だから「価値観の相違」という、一見まともそうな、でも実はじゃあ具体的に何が違ったんですかちゃんと話してくださいよ有賀さん、というようなツッコミを繰り出す気力を奪うような漢字密度の高い、筆数の多い言葉でお茶を濁して、記者がメモを取っている間にマネージャーさんが別の話題を繰り出すわけだ。
でも結局は何も説明してない。たぶん本当の理由は価値観の相違なんかじゃなく、例えば食事の前にトイレで大きい方を済ませるのが許せなかったとか、カーテン閉めずに裸になって逆立ちするのが耐えられなかったとか、彼の浮気で実は結婚する前からずっと続いててとか、そういう風な何か具体的な理由があるのだが、あまりにも具体的すぎるし傷も癒えてないのにマスコミにああだこうだ書き立てられるのはイヤなので、本当のことは隠しておきたいんです勘弁してください、ということを一言で表現するテンプレートが、
価値観の相違
なのだと思われる。ああ、芸能界ってややこしいねえ。あんまりややこしかったので、にょーぼに朝「なんでこんな邪魔なところへ片付けるの!」と叱られたときに思わず
価値観の相違です
と答えて失笑を誘ったりしてしまう今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。