打ち上げるロケットはあるのに

有人宇宙船「ふじ」をNASDAが提案するに至った経緯について、なぜ使い捨てのカプセル型なのか、なぜ再利用型のスペースシャトルではだめなのか、といった観点から丁寧に説明しており、難しい数学や物理の知識は一切必要ない。日本の宇宙開発が将来進むべき姿への提案として非常に興味深い一冊。
しかし現在のJAXAでは「ふじ」の開発は一切行われていない。国際宇宙ステーションありき、で話が進んでおり、日本独自の宇宙開発、という話にはなっていない。打ち上げるロケットはあるのに、大変残念な話だと思う。
なお、この本は絶版直前だったが増刷が決定したそうでうれしい限りです。みなさんたくさん読んでください。