言の葉の庭

言の葉の庭

六本木で観た。

やりたいこととやってることの不一致に苦しむ少年と、やりたいことから弾き出されて苦しむ女性が実は同じ(以下ネタバレ

若さゆえのストレートな感情に人は傷つきもし、癒されもする。大人だって、表に出さなくなってしまっただけで、奥のほうにはストレートな感情を抱えているのだ。

ストーリーはまあ多少の伏線はありつつも無駄なくエンディングに向けて一直線で、上映時間もすごく短い。46分。

どちらかというとストーリーよりは雨の描写にこれでもかというくらい手間がかかっていて、最初はアニメの雨と思って観ているのだけどいつの間にか100%本物の雨に見えてきて違和感なくて恐ろしい。夕立の場面が秀逸。雨の描写で力尽きて46分なんじゃないかと思うくらい。

雨を描いたアニメとしては世界最高峰ではないかと。そんなもんで最高峰極めてどうするのかとは思うが。

途中で女性の身分が唐突に明かされるのだが、そう言われてみれば途中にたくさんヒントがあったのだった。アレとか、アレとか。

しかし伊藤先生はひどいやつだな。ベランダで電話すんなよ。

最後にどうでもいいけど「だれかのまなざし」の途中で横のカップルがボソボソしゃべってて不愉快だった。映画館でしゃべる必要のないことをしゃべるのはやめましょう。あなたはよくても俺はよくない。

竜巻

アメリカで竜巻の被害がすごいらしい。アメリカは原発のハザードとして竜巻を最大のリスクと捉えたり、地域によっては一家に一地下壕というくらい竜巻がポピュラーなのだけど、テレビを観ていて印象的だったのが、
  1. 家を飛ばされた女性が意外に明るく「地下室に避難して私まんまと生きのびたわよ、おまけにテレビの取材も受けてこれで全米デビューだわざまあみろハッハー」という感じでテンション高くインタビューに答えていた
  2. 小学校に避難施設がなく子供が建物の下敷きに
1点目については、たぶんきちんと保険をかけているからだろうと思う。
ミズーリ州の竜巻、保険支払額10─30億ドルの可能性=分析会社 | Reuters
の大きさに比べてあのサイズの竜巻が来たら、鉄筋だって外装はボロボロになるだろうし、だったら地下室をきちんと金かけて作って命を守り、上屋は木造で保険をかけておいて、吹っ飛んだら保険プラスアルファで安く再建する、のがリスク管理として妥当だろうと思われる。命と保険があればあとはなんとかなるわよハッハー。
2点目は難しい問題で、小学校の児童全員が避難できる地下室を作るのがまず大変なことだろうし、後付けで作るのはもっと厄介だろうと想像する。小学校だけにある程度の人口密度がある街中、少なくとも村落の中央部に作るだろうし(ハワイで見かけたエレメンタリースクールがまさにそんな風情だった)、そこへ隣接地を確保して百人単位で入れる穴掘って入り口をきちんと密閉して、普段はいたずらできないように、でも緊急時には秒単位で開けられるように鍵を管理して、訓練を計画して…とかなかなか難しいことだなと思う。児童と教員はは定期的に入れ替わるし。いっそ防空壕みたいに千客万来で自治体単位のでかい施設を作って維持したらどうですかね。金かかるね。
オチはありません。

雲の向こう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所 [DVD]

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大画面で観ると思ったよりキレイな絵。

  • 離陸したあと、台車はどうなるのか心配
  • あの塔は物理的に立たないだろ
  • あれだけ戦争するくらい揉めといて飛行機1機みすみす塔まで行かせるとかありえん
  • ハッピーエンドだけどヴェラシーラ着地どうすんの
  • 東京から北海道の塔が見えるとして、その高度に酸素ボンベも使わずに上がったら死ぬだろ
  • わざわざ山の上に鉄道駅とか、その駅が水はけ悪くて冠水してるとか
ツッコミどころは満載ですが、基本的にはとてもいい、アニメでしか表現できないアニメだと思います。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

久しぶりにまともな小説だと思いました。

不思議な舞台装置も、特殊な能力の持ち主も出てこない、そういう意味でのまともな小説。

主人公を大きく変化させ、ある意味では大きく損なった出来事について、きちんと謎解きというか、そうせざるを得なかった、そうまでして大切な人を結局救えなかったと、かつての親友たちのそうした苦悩をきちんと解き明かしてくれているところとか。

主人公が巡礼を通して、自分は不要とされて切られたわけではない、むしろ必要とされるだけの資質を持っていたし今でも必要とされている、そのことを知って、ある部分では以前よりも成長して帰ってくることとか。

ノルウェイの森で書かれた、生の対局ではなく生の一部として存在する死の淵を覗いて、それでも自分で人生を選び取って、あるいは親友に支えられて、そこから帰ってくることができた、そんな救いが示されたことは、村上春樹という小説家の進歩の証かな、とか。

いろんな意味でまともな小説だと思いました。

完璧な人間関係なんてものは存在しない、学生時代の狭い世界ではそれが存在するように思えても人が成長していく以上それは永遠には続かないし、だからといってそれで人生が終わったりはしないし、その先に別の豊かな人生が待っているのだということを知らない、今から苦悩することになる若者たちにこそ読んでほしい小説だと思いました。

細かいことを書き出すとキリがないというか、また改めて。

ゲストOS復帰時の時刻合わせってどうすりゃええの?

VirtualBox上のVine Linux 6.1でntpdを動かしたままホストOSのWindows7をハイバネートすると、復帰時には必ずntpdがお亡くなりになるのですが、どうすりゃええですかね。

とりあえず時刻がそれなりに合っていればいいクライアントなので、/etc/cron.hourlyにntpdateを呼び出すスクリプトを置いてごまかしているのだが、これだとWindowsの復帰時にしばらく時計が狂ったまま運用されるので、ログとかの整合性がよろしくない。

ちなみにVirtualBoxでゲストOSの状態を保存しても同じことになるみたい。

他の人たちはどうやってるのかな。なんか例えばVirtualBoxでゲストOSを復帰させた時にフックしてスクリプトを動かす仕組みとかあれば、そこにntpdateを突っ込んで解決するのだけど。

NTPサーバーやネットワークに負荷をかけない範囲で、うまいやり方があれば教えてください。

絹布の法被

自民党が衆院選で過半数をとったことで憲法改正が取り沙汰されているが、論点がよく見えない。
いままでまともに聞いていなかったというのもあるけど。
今の状況だと、自民と維新が合意したらもしかして国会は通ってしまって国民投票…というのもあり、論点をはっきりしてほしい。

現在の記述でどういう運用上の不便があり、どう変えればどう解決されるのか。その場合新たに発生しうる問題点としてどのようなことが考えられるのか。

というようなことを逐条で明らかにして議論してほしい。国民投票法も逐条で投票するような記述になっていると読んだけど、違いますか?

自民党や新聞の草案は、全体的に編集することが前提になっており、イデオロギーの議論になってしまうから収束するはずがない。前文とかは、法律としての機能の観点からはどうだっていいと思う。

憲法だって法なんだから、現在のこの国をよくしていくためにパッチを当てる議論がまずあって、それから全体的にどういう方向に整えるかという議論に進むんじゃないかな。一度に大きく変えてしまうと、下位の法体系との齟齬がたくさん発生しそうな気がする。

まあ素人なので適当なこと書いてますけど。そんな意見です。