Googleの唱える民主主義の問題点

4. ウェブでも民主主義は機能する。
Google が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断する上で、どのウェブ サイトの重要度が高いかを決定するために投票してくれる数百万のユーザーを頼りにしているからです。少人数の編集者が決定したり、用語の出現頻度だけを基準に決定するのではなく、PageRank™ という画期的な技術を使用して各ウェブ ページにランクを付けています。PageRank は、そのページにリンクしているすべてのサイトを評価して数値を割り当てます。評価の際、それらのサイトにさらにリンクしているサイトも考慮に入れます。ウェブの構造全体を分析することで、Google は、どのサイトがそのコンテンツに興味を持つユーザーから最高の情報源として "投票" されたかを判断します。この方法では、新しいサイトが増えるたびに情報ポイント、しいては票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効率が上がります。

これを言い換えると、以下のようになるのだろう。

このようにしてグーグルのページランキングという仕組みは、最初はわずかだった擁護派、反対派の差を、相互リンクの増殖がページランキングを上げるという好循環を通じて、人々の意見を多数派の方向へとどんどん強化していく働きをするのだ。
(中略)
仮に『ウェブ進化論』の場合のように、著者自身のブログのページランキングが始めから高い場合、『ウェブ進化論』擁護派のブログが驚くべき速度で増え、逆にこの「愛と苦悩の日記」のような『ウェブ進化論』批判派のブログがますます無視されるのは、当然といえば当然の帰結なのである。

しかしそれは、Googleページランク上位に表示されているものが民主主義に基づく多数票の意見であり、絶対的な正義ではないのだ、ということを、検索した側が理解しているかどうかという、いわゆる情報リテラシーの問題であって、Googleのやっていることが正しいとか間違っているとかではない。Googleのやっていることは単純な多数決なのだ。裏ではSEO対策とかいろいろやっているみたいだが。

ある本に対する評価がいろいろ知りたければAmazonに聞けばいいし、どんな意見が大勢を占めているかを知りたければGoogleに聞くのがいい。Googleページランクの上位にあるかどうかで一喜一憂する方が不健全だし、Googleが言論を封殺できる、というそのものの見方のほうがある意味Google唯一神を信奉するみたいな考え方だと思う。

むしろ単純な多数決でもないことが問題

むしろ、その「裏でなにをやっているか」の方が問題で、

また、グーグルが中国でのビジネスにおいて、特定の宗教団体のWebサイトをページランキング機能から除外しているのは周知の事実である。

というような、世界でも五本の指に入るくらいの言論統制国家におもねるようなことをやっておいて「民主主義」とは片腹痛い、と思うのはワタシだけでしょうか。とか言いながらGoogleの各サービスをガシガシ使わせてもらっておりますありがとうございます。