分かりやすい入門書

リヴァイアさん、日々のわざで疫学の入門書として紹介されていたもの。
最初に疫学の応用例から入って、疫学とはどんなもので、どのような場面で利用されるのか、ということをまず読者に理解させ、その後、疫学の基礎知識や歴史、ごく初歩的(らしい)な理論について説明を補っていくという構成になっている。そのため、全くの初心者でも難しい話を抜きにして応用例を読みながら疫学に馴染んでいけるようになっている。
読み終わるころには疫学が「分かったような気になって」いること請け合いである。
後半は疫学をめぐる日本の学術的・法的な無理解についての嘆きが増えてやや愚痴っぽいが、最近では疫学について日本語で読める書物が増えているようだ。本書で「次に読むべき本」として挙げられているグリーンバーグの「医学が分かる疫学」は第3版の和訳が出版されておりamazonでも入手可能になっている。
日本でも疫学に対する理解が進み、状況が改善することを願って止まない。