クラウドファンディング出資者向けの上映会があったので観に行った。
観客はオジサンの比率が非常に高く、映画館の客層としてはなにやら異様な雰囲気。
映画は、正直のんちゃんの声がどうなのか心配だったのだが、全く違和感なくすずさんになっていて杞憂だった。
戦前の広島から呉に嫁いだ女性が、第二次大戦で大切なものをいくつも失いながら、タンポポのようにしなやかに日々を生き抜いていくという物語。
何度もドスンと胸を打たれるシーンがあり、なにくそ泣いてなるものか俺は最後まで刮目して見届けるのだ、と自分を鼓舞しながらなんとか最後まで観とおしたという感じ。砲撃の音とか、爆撃の衝撃とか、戦闘機からの銃撃とか、本当に怖くて逃げ出したくなるくらい、日常が破壊されていく怖さをしっかり描き切っていた。戦争ダメゼッタイ。
ネタバレしたいことは色々、不満もひとつだけあるのだが、そこはバラさない約束なので書かない。
「聲の形」とは違って原作を観てなくてもちゃんと原作と変わらないメッセージを受け取ることができる、素晴らしい完成度の映画だった。
エンドロールで約束どおり出資者の名前が列挙され、自分の名前を見つけてなんだかむず痒い気持ちになった。しかしまさか音読みで並べているとは。危うく気づかずに見落とすところだった。
映画の後には片渕監督のトークショーもあった。訥々とした語り口で色んな苦労話を聞いた。クラウドファンディングが本当にこの映画の命を繋いだのだなと分かったのは大変嬉しかった。
最後にロビーで監督と握手した。柔らかい手でした。
主演の声優さんが干されているからあまりマスコミが取り上げないという指摘があったが、トークショーではそんなことはおくびにも出さず、しかしメッセージカードを是非配って周りの人に呼びかけて欲しい、というお願いがあった。
とりあえず、勤務先のリフレッシュコーナーに単行本を置いてリーフレットもボードに貼って無言の宣伝をしています。誰かに届くといいなあ。
週末、何人か知り合いに会うので、彼らにも宣伝するつもり。
本当に素晴らしい映画なので、是非多くの人に観て欲しいと思う。