一つの時代の終わり

最初に書いておくが僕は関係者ではないし業界人ですらなく、ちょっとセンチメンタルな気分になっただけなので、なにかおもしろいこぼれ話が出てくるわけではない。あと時系列は全く確認せず印象で書いてるのでそのへんは勘弁してください。

はてなの近藤取締役が一部事業とともにはてなの非常勤取締役に退くという話。

「物件ファン」に新会社で注力:はてな創業者・近藤会長、代表取締役を退任へ(要約) - ITmedia ビジネスオンライン

僕にとってはてなという会社は人力検索と日記の会社で、近藤夫妻とマスコットのしなもんが表に出ている印象が強かった。インターフェイスが商売臭くなかったのではてなダイアリーを使い始め(て、その後勧められるままにはてなブログに移行して現在に至り)たあとで、いろいろなサービスが出ては消えていくようになった。

今や増田という通り名を得て怪しい出処不明のリーク情報の巣窟となったはてな匿名ダイアリーとか、ブックマークというよりは一口コメントを交換するインターフェイスに化けたはてなブックマークとか、なんかよくわからなかったはてなワールドとかはてなハイクとかその他もう名前も思い出さない、けったいなサービスを続々と作る傍ら優秀なエンジニアを集めて、reikonが彼らに食事を振る舞ったりしていた頃が全盛期ではなかったか。

ゆるく作ったサービスを早めにリリースして、ユーザーのフィードバックを踏まえてサービスをブラッシュアップする、というスタイルは当時のインターネットを志すエンジニアの卵たちにはたまらないスタイルだったらしく、後発の様々な会社の様々なサービスが生まれては消え、売られてはサービス終了するというカジュアルな流れは、はてなという会社がその源流といっても過言ではないと思う。

そんな中でもはてなは自分のスタイルを貫いてよくわからないサービスをリリースしては手が回らずに腐らせるという愚行を繰り返していたわけだが、いつしかその流れも淀み、しなもんがこの世を去り、比較的早期からのメンバーだったであるれいこんはてなを去ったことで、ある意味はてなという会社は日本のインターネットの中心から置いていかれたのだと、今は思う。

そして近藤氏本人も非常勤取締役に退き、これではてなの、そして日本のインターネットの一つの時代が終わったという感じがする。

近藤氏が持っていく物件ファンというサービスを今朝初めて眺めてみたけど、こういう切り口は確かに今まで見なかった。そして流行るかどうかというと…かなり微妙。相変わらずのjkondoスタイルですね。今後ますますのご活躍をホントに期待してます。