コインロッカー・ベイビーズ

その時夢中になって読んでいた本が↓これ。

コインロッカー・ベイビーズ(下) (講談社文庫)

コインロッカー・ベイビーズ(下) (講談社文庫)


村上龍の小説が好きだ。特にコインロッカー・ベイビーズが大好きだ。何度読んでも面白い。初めて読んだのは高校生の時だからもうすぐ20年になるが決して飽きるということがない。

ごく普通の田舎者の純情な高校生だった僕は生徒会なんてものに首を突っ込み、そこで文学青年に村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読まされて世界が崩壊した。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)


さらに「海の向こうで戦争がはじまる」を読み、そしてコインロッカー・ベイビーズを読んだ。
海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる


まあかなりのカルチャーショックだった所へ生徒会でなんやかやと経験したことのない苦労や軋轢やからかいや淡い恋心や臆病さや冷やかしや友情や裏切りや後ろめたさがないまぜになって、簡単に要約すると「高校生にありがちな青春の悩み」でズタズタになった僕の世界をどうにかこうにか立て直してくれたのが村上春樹の「ノルウェイの森」で、その後すっかりハルキストになってしまったのだがそれはまた別の話。
それでもやっぱりコインロッカー・ベイビーズは大好きな小説でありつづけている。破壊への衝動で貫かれているのだが、破壊の果てに追い求めるものは静けさであり赦しである。苦しい時ほど読みたくなる、そして元気をもらえる、不思議な小説だ。