安全は経営努力で達成できるのか?

NHKスペシャル|高速ツアーバス 格安競争の裏で
高速バスって最近すげー安いんですね。東京−大阪4200円とか。まじですか。

高速バス運行の大手企業がバス会社をいくつか買収して下請けにしたり、旅行会社を通じて孫請けのバス会社からバスをチャーターしたりしてどんどん競争を促進していく。下請けはどんどん安い値段でバスを出さざるを得なくなり、本来2人乗せるべき運転手を1人にしたり、殺人的な運転スケジュールで対応していく。夜7時から朝7時まで交替で運転して、また夜7時から朝7時まで運転して帰ってくる。点検中に仮眠してまた夜7時から朝7時まで運転して、また夜7時から朝7時まで運転して帰ってくる。点検中に仮眠してまた夜7時から朝7時まで運転して、また夜7時から朝7時まで運転して帰ってくる。1日休み。これの繰り返し。家には月3度しか帰れない。帰る時間も惜しんで仮眠する。月給は32万円。死ぬって。
運行会社はもっとチャーター代を下げようとするが安全は確保しろという。安全に運行するためには人間に無理をさせられない、車体の点検だって手厚くやらなければいけない。その費用は安くて燃費がいいバスを韓国から買って捻出すればいいと自分でもバス会社を興してみせる。そんな投資ができるくらいなら苦労しないって。さらにコストが高く付く孫請けは切ってしまう。切られたバス会社は生き残るためもっと厳しい条件の仕事を請けなければいけなくなる。運転手は労組作ってチャーター代を規制するよう運輸局に訴えるが、法律的には安全確保はバス会社の責任だとはねつけられる。
そのうち大事故が起こって、バス会社何やっとんねんとか言われたら改めてこの番組を放送してほしい。悪いのは誰か。安ければそれでいいのか消費者よ。