現場の声を聞け

とかく生命倫理とか技術的安全性とか金銭トラブルとか、高所大所から論じられがちな代理出産について、生殖医療に携わる現場の意思の意見、不妊症とそれにまつわる差別や世間の無配慮に苦しむ人々の声が集められている。結論は一つ。「当事者の自己決定権を尊重すべき」
非常に明確で分かりやすい主張が、著者自らの体験、患者の声を交えて、極力難しい医療用語を排除して平易に述べられている。
この人の主張に賛成するか否かは別にして、幸せの形は人それぞれであり、法律で一つの形に嵌めることは不可能なのだということを痛感させられる。