国家の犯罪

人を殺してはいけない。人を殺した犯罪者は死刑だ、とあなたは言う。…では国家は人を殺してもよいのか?
正確に言うと死刑囚を殺すのは国家ではない。刑務官だ。刑務官は殺人犯と違って人を殺す動機を持たない。しかし国家の命令で人を殺すことを強要される。死刑によって、殺人犯は人として死に、刑務官は人以下の何かになり下がる。その残酷さを、刑務官への聞き取り調査で徹底的に浮き彫りにしたドキュメンタリー。
死刑存続に賛成する人も、反対する人も、ぜひ一度読んでみていただきたい。あなたたちが唱える大義名分は、当事者の視点を欠いた机上の空論になってはいないだろうか。