吉本新喜劇を甘く見てはいけない

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思うに、日本人は面と向かって肉体と対峙することが苦手なのではないだろうか。そこからふと目を逸らしたいのではないか? いまや日本列島は吉本興業のタレントに席巻されているが、吉本新喜劇ほど肉体を小ばかにし、笑いものにし、大うけしているショーは世界にも他に例がない。かくいう私も、大阪に行ったら必ず見にいく。吉本興業はいまスポーツ代理業にも関っているが、その吉本が戦後の地盤を固めたのは進駐軍時代のキャバレーやクラブ経営からだった。

いっぺん長距離を走ってみてからそういうことを言ってほしい。42.195kmとは言わない、10kmでもいい。それは自分の肉体との対話であり、限界への挑戦である。誇張ではない。
吉本新喜劇のフィジカルなギャグがウケるのは、それが普通の人はちょっと思いつかない動きを、笑いの延長線上に組み込んでいるからだ。そこにはオリジナリティーがあり、表現への熱意がある。「肉体を小ばかに」などしていない。肉体を表現の道具として笑いを追究しているのだ。誇張ではない。いっぺん彼らの真似をしてみるがいい。あんな風にコミカルに動くことの難しさがすぐに分かるだろう。

不満はNHKである。カーリングを延々と流している神経はどうしたのか。ジャパン・コンソーシアムはシドニーから5大会で総額632億円の放映権料をIOCに払い、その70%がNHKの負担だ。カーリングを見るために、そんな大金を払ったのか?

そうです。カーリングはウィンタースポーツとして認知されている国では大変人気があり、そのへんの小さな町に普通にカーリング専用のリンクがあるそうだ。そういうスポーツを紹介するのも報道の大切な役割だと思う。
この人は何を見てものを言っているのだ。オリンピックの競技になるのはそれだけの競技人口があるからだというシンプルな事実にすら気づかないのか。人を笑わせることが怒らせることに比べてどれほど難しいか分かっていないのか。