ヘルシンキ滞在2日目

6月16日
今日は朝から夕方まで淡々と会議。俺が最後のスピーカーだったのでちょっと冒頭ウケを狙おうと考えていたのだが、直前で他の発表者が最後にして欲しいと言い出したらしく俺は繰り上がって最後から2人目に。ネタはボツ。プレゼン自体はまあ、練習の甲斐あって言いたいことは全部言えたし、質疑応答でウケを取ったのでよしとする。

夕方から主催者が用意してくれたボートとディナー。2階建てのボートの1階で飲みながら食べておしゃべり。その間にボートはヘルシンキの南側を回り込んで(あのビルで俺は働いてるんだ…ふーん、フィンランド生まれなの?…いや、ハンガリー生まれだけど、大学がヘルシンキだったんだよ、それで最初はドイツで働いてたんだけど、まあいろいろあっていまはあそこで…)小さな島がたくさんある海域をふらふらしている。

途中、2階というか屋根の上に上がって外の風にあたる。夜だというのに日はまだ高く、昼下がりといった雰囲気。
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ヘルシンキは岩盤の上にできた都市なのだそうだ。だから家も岩盤の上に建てるし、小島も砂浜とかはなくてむき出しの岩盤の上に少しだけ乗った土に張り付くように草や木が生えていて、こじんまりした家がポツリと建っている。(Midsummerの間、みんなああいう別荘で家族だけで過ごすんだ…)Midsummerとは何か?最終日に思い知らされることになる。
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下に戻って再び談笑。まだ時差ぼけが残っており、21時くらいからもう周りが何を話しているのかよくわからないし分かろうとする気力もない。22時30分にボートが港へ帰るまでほぼ固まっていた。無念。

部屋に帰って、パソコンを無線LANに繋ごうとするがうまくいかない。Webにつなぐと最初にログイン画面が出るので渡されたIDとパスワードを入力する、という方式なのだがログイン画面がエラーで表示されない。自分のiPhoneではちゃんとログイン画面が出てその先にも行けることを確認。つまりこれはパソコンが悪い。ホテルのせいではない。もともとセキュリティのためにいろいろ変な細工がしてあるパソコンなので、さっさと断念して3GのWiFiルーターでつなぐことにする。あがくだけ時間の無駄だ。
鈍い回線でメールチェックだけして、いくつかにのろのろと返事を書いて就寝。

ヘルシンキ滞在3日目

6月17日
今日も一日中会議。自分の発表は終わったのであとは聞くだけ。いろいろ興味深い発表もあり、時差ぼけもなんとか補正できたので大体内容は理解したつもり。

会議は予定より少しだけ早く終わり、その後特に予定もないので一人でお気楽ぶらぶら観光へ。とりあえず4号線でヘルシンキ中央駅付近のデパート街へ。
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まずはスーパーマーケットでお菓子やお茶(ムーミンルイボスティー)を買う。万引き防止のためか入り口に開閉式のゲートがついており、何も買わずには出られない雰囲気だったがまあ買ったのでよかった。全体的にやはり日本円に直すとお高い感じになっている。価格表示は税込みなので、日本のように合計金額になんか掛けてウニャウニャ、というのがなくわかりやすい。
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次はフォルムのムーミンショップへ。
ムーミンショップ、意外とこぢんまりしている。後で聞いた話だとヘルシンキ市内にはあちこちにムーミンショップがあるらしい。Tシャツとかトランプとかホーローのマグカップとか、ムーミンらしからぬものが色々置いてある。ここでも消えものということで缶入りのクッキーとフルーツティーを買う。ちなみにルイボスティーはこちらにも置いてあった。
レジで店員さんが何気なくクッキー缶の蓋をつまむと、シールが剥がれており蓋がぱかっと開いてOh…という雰囲気になる。品の悪い客が蓋をこじ開けて中身を覗いたと思われる。俺は中華を許さない。出禁になる日もそう遠くないと期待する。

外はまだまだ明るいが、ヘルシンキではナイトスポット以外は以外と普通の時間で店じまいするようなので、先に食事を済ませるべくかもめ食堂へ。
かもめ食堂てなに?という人はググってください。

路面電車の2号線を4駅ほど乗って、停留所から2ブロック歩くと食堂がある。あまり観光地らしくない寂しい雰囲気になってきて、本当にこの道であってるよね?と不安になり始めるあたりで唐突に、大きなガラスにかもめ食堂と書かれた店に出くわす。
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店内は客も2組程度で静かな感じ。入り口にセルフサービスですと書いてあるが、中に入ると日本人の店員が対応してくれて窓際のテーブルに案内される。日本語のメニューを持ってきてくれて、説明もしてくれた。いつもよりも客が少ないとのことで、いつもここまで構ってくれるわけではない様子。
料理とビールを注文する。サラダとパンは自由に取ってくださいとのことで、その辺がセルフサービスということなのだろう。ナイフとフォークも取ってきて適当につまむ。
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後からもう一人日本人の客が入ってきて、レジで(英語で)料理を注文して僕の隣のテーブルに座る。店のマネージャーだという日本人の女性が僕の料理を持ってやってきて、後から来た客と二人で話をしているのを横で聞く形になる。
料理はカモシカ肉の煮込み。大量のジャガイモとベリーソースが添えられている。
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肉料理にはベリーソースというのがこの土地の定番らしい。見た目ジャムっぽいが、砂糖で煮詰めたりしてないので酸味があって肉に合う。カモシカ肉に少し臭みがあるので、ちょうどいい感じ。

明後日からヘルシンキ夏至祭(Midsummer)に入って、街角のお店はほとんど休みになる(かもめ食堂も明日18日早仕舞いして、19日から3日間休み)。19日から街は人がいなくなるし明日はどの店も早仕舞いなので、買い物は今日済ませたほうがいいとのこと。

自分はすでにある程度買ったので、あとは定番ものを空港で買い足せばいいかなと思う。
それよりも、観光をどうするか考えておかないといけない。

今はジャガイモが旬の季節なので、機会があればジャガイモを召し上がってみてください、美味しいですよ!とマネージャーが勧めるのに、後から来たお客さんが「…こっちの料理ってたいていジャガイモ入ってますよね…」という返しで笑ってしまった。僕の料理もジャガイモてんこ盛りだし。

お一人ですか、ええ、お仕事ですか、ええそうです、私は観光です、毎年この時期に休みを取ってガッツリ旅行するんですよ。以前にもこの店に友達と来たことがあるんですけど、その時はお腹一杯でほとんどなにもたべられなかったから、また来ました。
へえ。一人旅というのは気楽で良さそうですね、仕事だとちょっとねえ。
気楽ですよ、でも、今日はなんか豪快なおばさんに出会って、その人がどんどん仕切ってくれるので、すっかりお任せしてさらに楽しました。

などなど。

英語ばかりで疲れていたので、日本語で会話できていいガス抜きになった。
この後どうするんですか、という話題になる前に離脱する。

そんなわけで明後日は難民化するかもしれないので(ちなみにその危惧は見事に的中する)少しでも観光しようと、2号線でさらに先へ移動する。元老院広場まで行きたいのだが、路線図では線路がなぜか途中から3号線に変わっていて、意味がわからない。終点で一度降りるのか?とも思ったが、実際に乗ってみると、そのまま乗っていれば電車が勝手に3号線に変わる仕組みだった。結局電車1本で元老院広場へ。
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アレクサンドル2世の銅像を撮ってから、せっせと石段を上がり、上から見下ろした写真を撮って、ヘルシンキ大聖堂へ。おのぼりさん…
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大聖堂は24時まで入れるのだが、純粋にキリスト教の大聖堂なので、中では静かに見学。2ユーロ50セントで蝋燭を一本寄進するなど。ここまで徹底してニコニコ現金払いなので、小銭ならたっぷりあるでよ。
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中は音楽もなにもなく、見張りの女性2人が静かに会話している。しばし空気に浸り、写真を撮って退散。
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コーヒーでも飲みたいところだがもう21時を回って店も閉まる時間なので、大聖堂のすぐ近くから4号線に乗ってホテルへ帰る。路面電車の乗り降りにもかなり慣れてきた感じ。この時間帯は帰宅ラッシュなのか、地元の人ですし詰め満員だった。みんな夜更かしだね…電車もずいぶん遅くまで運行している。さすがは高福祉国家

ところでこの日は3回路面電車のチケットを運転手から買うことになり、9ユーロ払ってしまった。明日は最初から1日フリーのチケットを8ユーロで買おうと思う。うまくすれば、19日も最後までそのチケットで乗れるのではないか?